日々の気付きと時々、振り返り

しがないセールスエンジニアが日々考えてることをまとめたもの。

CSRとCSVについて --営利と社会貢献、両立の術--

少し備忘録的に書きます。これまで社会的課題に対するアプローチ方法について考察を加えてきました。(民間企業の限界と企業・個人の社会的責任) しかし、その結果見えてきた結論は、社会課題を営利活動を通じて解決することは難しそうだ、というものでした。もちろん、創意工夫・試行錯誤して、高い利益率を可能にする収益モデルを考案・構築すること、そして、実際にそれを実行に移すことは「不可能」ではないかもしれません。しかし、それが難しいことは事実で、最近はぼんやりと、「資金を稼ぐ活動」と「個人的な社会的活動」を分離して、「資金を稼ぐ活動」によって創出した余裕を、「個人的な社会的活動」に回そうか、ということを考えていました。

 

実はこれ、欧米、特にアメリカにおける社会的活動・市民活動を似た構図を敷いています。アメリカでは、富裕層の稼ぐ金額が桁違いなこともあり、寄付文化が根付いています。これには宗教的背景も存在しますが、この寄付資金がNGONPOといった、社会的活動・市民活動に回るような仕組みになっているのですね。まさに「エリートの善意」によって社会が回っている、という構造です。しかし、これには問題があり、例えば景気が悪くなった時など、寄付金額が減少し、NGONPOの財源が急激に圧縮されることが考えられます。また、こうしたNGONPOの場合、主要メンバーがボランティアで参加することも多く、組織的な活動が成熟しにくいため、運営が属人的になりかねません。その場合、創設者が離脱すれば、活動の質が低下、時に活動休止という事態にも陥る、という状態になってしまいます。つまり、富裕層による荒稼ぎと富裕層による寄付によって社会が回る構造が成立していますが、この構造は、上記のように、非常に脆弱な成り立ちを備えています。これはまずい。どうするか。

 

そこで生まれたのが、マイケル・ポーターが2011年頃から唱え始めているCSV(Creating Shared Value)の概念です。最近、CSR(Corporate Social Responsibility)という言葉が巷で流行っていますが、CSRは本業とは分離して行われる向きが強く--植林活動など--企業活動を妨げる可能性がある点が懸念点でした。その点、CSVは本業の一部として組み込まれることも多く、そのためのビジネスモデルも多数開発されているらしいので、少し勉強してみようと思っています。

 

最後に、

完全に横道にそれますが、やっぱりアメリカの社会構造は、だめな部分も多いですが、面白い部分も多いですね。

 

ではでは。