日々の気付きと時々、振り返り

しがないセールスエンジニアが日々考えてることをまとめたもの。

読書の意義について

しばらくの間、友人達との時間にずっぷりと浸って、今こうして日常に、一人の時間に戻っている。そうして、久しぶりに書物を開くと、そこにはまた違う世界が広がっていた。それはある意味、無意味なようにも見えるし、逆にそれこそ意義があるようにも感じる。それが良くも悪くも読書の持つ影響なのだと思う。
 
つまり、書物に封じられた世界は、基本的には自らの日常とは断絶された異世界の話であり、はっきり言って、普段の生活には関係がない。しかも、中には小難しい理屈をこね回して、抽象世界から着地できていない著作も確かに存在する。そのような書物に触れた時、それまでの色鮮やかな現実世界と比べ、辟易してしまうことも事実だが、だからこそ書物に意義がある、とも感じる。

 

つまり、書物に描かれる世界は、主に過去であり、日常から断絶された異世界であり、具体的事実に解釈を加えた抽象的内容だが、過去は何らかの形で現在に接続し、異世界は確かに自らが生きる社会の一部分であり、抽象的内容は自分達の思考をうまい形で肩代わりしてくれる。
 
経済学を例に取れば、そこで取り扱われる事例は、1930年頃の米国その他での恐慌の話であったり、それを元にした美しい数式群、理論であったりする。それは、現代の日本社会、そして、僕たちの日常から遠く離れた話であり、理論は日常ではほぼ全く意味を持たない。
 
この、まるで意味がないように思える点にこそ、書物の意義があり、そして、限界もある。この事実を認識した上で書物と親しみ、娯楽と割り切り、日々研鑽を積む必要があるのだろう。そんなことを感じた。
 
ではでは。