日々の気付きと時々、振り返り

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なぜ孤独を感じるのか、なぜ友達がいないのか --社会力というキーワード--

教育社会学の文献をパラパラとめくっていたところ、「社会力」という概念に出会ったので、ちょっと引用してみる。

 

「社会力」

 

社会を構成している様々な人たちといい関係を作り、作ったいい関係を維持しながら、自分が学んだ知識や自分が身につけた技術を、自分が生きている社会の様々な場所で、進んで発揮することができる資質や能力のことである。

社会力とは、自分ができることを自分から進んでやることを日々やりながら、もっと良い社会にしようという意識を持ち、それを実現するために、今のやり方や制度や決まりなどをどう変えたらいいかを考える力であり、考えたことを、実現できるところから実行していくことができる能力のことである。

引用元:「新しい時代の教育社会学」 p.36

 

 

関係は紡ぐもの、社会力は鍛えるもの、という意識の欠如

ここで引用されるような「社会力」は、一人の人間が持ち合わせていれば「超いいやつ」であり、確かに人気ものになりそうで、人との関係に困らなそうだが、現実のところ、これほどできた人間は少ない。

 

今回ここで伝えたかったのは、社会力を身に付けろ!!という程の強いメッセージではなく、人間関係というのは意識的に紡ぎ、維持するものであり、その力は多様な人間との濃密な交流を通じて培われるものである、ということだ。こうした能力や機会を自然と持っている人もいるのだが、本来何もせずに身につくものではない。「俺、コミュ障だからwwww」と、斜めに構えずに、そこから脱却を図らなければ、技術は向上しない、ということだろう。この成長・教育の過程を、教育の分野では「社会化」と呼び、学校と教師が果たす主要な役割の1つになっている。しかし、ご存知のように、完璧に成功しているわけではない。

 

最近、ぼんやりと考えていた、自分が一番楽なように好きな人と好きな時間だけ過ごす生活は、確かに楽だけれども、人間関係の幅が狭くなり、社会資本も徐々に枯渇していくなぁ、という感覚が、教育の分野で明示されていたので、面白いと思って書いてみました。

 

ではでは。

 

新しい時代の教育社会学 (シリーズ現代の教職)

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