日々の気付きと時々、振り返り

しがないセールスエンジニアが日々考えてることをまとめたもの。

現代に求められるキャリア教育とは --学校と社会の接続の問題--

教育社会学に続いて、より細かな論点で、キャリア教育について考えてみた。まだまだメモレベル。今後のブラッシュアップに期待。

 

若者の進路の基本的な問題

・自分の志向・進路について考える素材が少ない

そもそも社会経験が少なすぎて、自分や将来について考える材料が少ない。

幼少期から環境は学校/家庭、交流範囲は家族/同世代の友人/教師のみ。閉じられた狭い世界。社会が未知の場所として存在。

 

・自分の将来設計を具体化・実行計画化できない

自分の志向が漠然とわかっても、それを職業や具体的事業に落とし込めるほどの抽象的思考力もなければ、知識や経験もない。独力で将来を構想できない。

 

・自分の将来設計と職業をうまく接続できない

ここは実はあんまり問題ない気がする

将来設計さえ決まれば、職業探しには困らない環境が、ネットを初め、整備されつつある。

 

・やりたいことは考えてもわからない

基本的に考えてもわからない。やってみなければわからない。一度働いてみないことには。

 

・希望職種を見つけても入社できない

選考に落ちるパターン。結構難しい。

 

 

問題への対処:基本コンセプト

・教師ではなく、社会から学ぶ

教師は学校でしか生きていないので、進路(就職先)について、リアルな知識やイメージがない。真に迫った進路指導が困難。 

加えて、世の中が複雑化、変化も速い。一人じゃ把握できない。 

だから、社会的な存在--様々な職業人--との交流や、社会との交流--職業体験、インターン、地元の親父との交流--を通じて、自分なりにの価値基準、自己認識を育むしかない。

 

・習うより慣れろ

自立するためには、自立するための”素振り”が必要。

独りで、必要に迫られて、試行錯誤して、それで初めて必要なものがわかる。教わる限り、永遠に習得型から抜け出せない。

"Learning by doing.(為すことで学ぶ)" by John Dewey

 

cf.ジョブシャドウ

 

この点、アメリカのジョブシャドウの仕組みは面白い。

職業体験の期間を設けて、その間授業を免除。

職業体験の開始/終了時にレポートを課す。

これを少し詰めると、いい感じかも。

 

 

・自分は創り、創られる

自己認識が大切。

起業家のために生きると思えば、例えば、VCが適職になる。

しかも、認識は他者との相互作用によって構築される。

事象や認識に対して、プラスの作用があれば、自己概念は強化され、マイナスの作用があれば自己概念は弱化される。

ex)「数学が得意なんだね!」と言われれば数学が好きになる。

 

ただ、どのような作用を与えるか、判断できない。

だから、多様な人との相互作用を通じて研磨されるのがいいのかな、と思う。

cf.ドナルド・スーパーの職業的発展理論

 

・自分の適職は決めるものではなく、探るもの

終身雇用はキャリア上、リスクが高過ぎる。

バブルまでは幸せだから良いが、将来が見えない現代にそぐわない。

雇用の流動性を上げ、調整が可能な雇用形態・労働市場を目指さないと。

マクロ的にも、最適資源配分的に、意義がある。

 

・休息の場

希望職種に就けない人には、職業支援以上に、精神的ケアが大切。

ここらへん、ピアグループが可能性あるんじゃないかと思ってる。

同じ経験をした人と出会い、対話できる場。

 

大体、こんな感じ。

これに教育社会学的側面、社会学的側面を接続させる作業がまだ残ってる。

次世代の学校とは、次世代の社会の在り方とは。この問いとの接続が必要だね。

 

 

ではでは。