日々の気付きと時々、振り返り

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『渋谷ではたらく社長の告白』の教材的価値 --起業を考えるあなたへ--

つい先日、この本を読了した。

 

渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)

渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)

 

 

 

 
本の中身については、前回のエントリで紹介したので割愛するが、これから起業を考えているという人が目の前に現れたら、きっとこの本を真っ先に紹介する。それほど、参考になる書籍だった。
 
それにはいくつかの理由がある。

 

起業家の経験談自体、希少

まず、起業家自体が日本に少ない。その上、成功している起業家はもっと少なく、その経験談もまた少ない。自分自身の経験を振り返っても、起業当時、右も左もわからず、大変苦労した。適当なロールモデルが身近にいない状況はなかなか大変、ということである。
 

情景描写が色彩豊か

本書のあとがきにも書かれているが、この本は藤田氏の記憶が色褪せない内に書くことを意識されたため、叙述に臨場感が溢れ、当時の情景が色鮮やかに目に浮かぶ。読み比べるとわかるが、他の伝記も確かに良著なのだが、ことイメージしやすさの話になると、なかなか当時の情景を描きづらく、多少見劣りする。そういう意味で、資料的価値もある著作である。
 

経験事例が幅広い

幸か不幸か、天国も地獄も、藤田氏は味わった。目的を見失った大学生活、死ぬほど働いたインテリジェンス時代、見る間に業績が上がったサイバーエージェント設立当時、最年少上場、インターネットバブル崩壊。これら全てが後進の起業家にとって教材的役割を提供する。単純な史実としても貴重で、読み応えがある文章に仕上がっているのだ。
 

藤田晋の変化がわかる

そもそも起業など考えていなかった高校時代から、起業家ではなく一人の営業マンとして活躍した日々、その営業マンが起業家、そして、経営者に変貌を遂げて行く軌跡。これらを一読できる著作はなかなかない。これほどまでに一筆書きできる軌跡も珍しく、読む度、起業の道筋がぼんやりイメージが浮かぶ。導線的役割を果たす、非常に良い著作なのだ。
 

最後に

何より自分自身が、自分の経験を振り返り、反省材料として、そして、今後の勉強材料として、非常に重宝した。やはり、営業とハードワーク。これまで遠ざけてきたことがもったいない。周りにも薦めてみようと思う。
 
ではでは。