日々の気付きと時々、振り返り

しがないセールスエンジニアが日々考えてることをまとめたもの。

僕自身にとっての起業とは

ちょっと独白気味のエントリー。

 
正直な話、僕はそこまで起業、というものを真剣に考えたことはなかった。確かに、これまで2度起業を経験しているのだが、それも起業というより活動、という感じで、自分にとって起業を形あるものもして受け入れたのは、ごく最近な気がする。というより、もしかしたらまだ明確には理解できていないのかもしれない。
 

 

手にとって分かるほどの、事業の成功イメージ

ただ、ここ数日画期となる出来事があった。つい先日、かつての事業仲間と会い、久々に話をしたのだが、彼らによれば、僕が抜けた後に、年商は初年度にして900万円に登ったらしい。全然社員も雇えるし、給料も出せる状況だ。これが僕には、少し、衝撃的だった。どこか他人事のように、そうなのか、と思う反面、うお、マジか、という思いもあった。僕にとって起業とは果てしなく難しいことで、ほとんど成功するものではない、という認識があったためだ。それが目の前で、しかも、自分が立ち上げた事業が成功しようとしている。「事業って成功するものなのか。それもいとも簡単に。」そう思ったのだ。事業の成功とは、どこか遠くにあるもので、自分の事業活動の延長線上にはないものだと、無意識の内に決めつけていたのだが、それを明確に否定された形になる。それが個人的に、衝撃的で、明らかに何らかの示唆を僕に与えてくれたのだ。頑張って、筋のいい事業を展開すればお金になる。これは僕にとって大きな学びだった。
 

「渋谷ではたらく社長の告白」からの気付き

次に、この本。

 

渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)

渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)

 

 

 

起業家仲間の中ではあまりにも有名だったものの、これまで読めず、いや、読まずにいた。こうした伝記やビジネス書絡みのものは、気持ちは高揚させるものの、具体的な前進は生まないと感じていたからだ。しかし、ひょんなことから読むことになり、これが大きな影響を僕に与えた。
 
この本は、Amebaで有名なサイバーエージェント社長の藤田晋氏によって書かれた自叙伝で、インテリジェンス入社、サイバーエージェント創業当時の事が事細かに描かれている。こうした類の本は、扇情的なエピソードばかりで、なかなか細かな時系列上の事実は描かれないのだが、この本では比較的事実に緩急をつけず、淡々と叙述が行われている。これが僕にとっては幸いした。
 
この本から得られた気付きは、2つ。
やはり、まずは営業。事業をやるからには営業なのだ。確かに、自分が保有している独自技術を武器に、そこから事業を考える場合もあるのだが、僕は残念ながらそうした技術がない人間で、そういう人間が起業を成功させるには、やはり一にも二にも営業なのだ。営業が取れなければいくらいい商品を売ってもお金にならないが、逆に営業が取れればそこから事業を形にすることができる。元々何をやるか決めずに起業した企業も実は多い。ビジョンを元にしたトップダウン的な思考も大切だが、初めに優先されるのは健全な収益源を確保することだ。だからこそ、営業。
 
そして、努力。藤田氏は、やはり尋常じゃない努力をした。週110時間労働。それだけの努力をすれば成果は出る。本当に頑張れば、スピードは遅くとも、徐々に成果は出るのだ。それは自分の経験を振りかえってもそう思う。振り返れば、自分も一時それほど働いていた。この人と比べて遥かに上回る量の努力をすれば高い確率で結果が出る、という事実を、この本は改めて僕に教えてくれた。そういう意味で自分にとって画期となる本である。
 

最後に

これまで自分の人生を通じてあらゆる角度から起業というものに触れてきた。それが今、形あるものとして目の前に現れようとしている。起業という言葉が徐々に明確に輪郭を帯びてきた。そして、その事実は、僕に起業家としての覚悟を今まさに問おうとしている。経験や知識を通じて培った、起業イメージから連想される苦難を、しっかりと受け入れる覚悟があるのかと。それほどまでにして成し遂げたいことが本当にあるのかと。今度は自分で決める。これまでと違い、人の意見に流されるわけでなく、自ら決断して前進する。また徐々に、挑戦の日々に戻っていこうと思う。
 
ではでは。