日々の気付きと時々、振り返り

しがないセールスエンジニアが日々考えてることをまとめたもの。

問題意識まとめ -遅れてるかもね、日本社会-

今の日本の課題、思うところをまとめてみました。もし、ご興味ありましたら、ご一読いただけると幸いです。 

個人

個人。

現代は生きづらい世の中である。

これまで人々を支えていた宗教が崩壊し、

日本では天皇制・家族含めた共同体が崩壊し、

先天的に固定的だったアイデンティティが流動化し、

自由を手にしたものの、意思決定の責任の重荷に耐え切れず、

個人としては漠然とした不安を抱えたままである。

自分が何のために生まれたのか、自分は何のために生きているのか、

人生の意義がわからず、ある者は忘れ、ある者は模索し、各々に悩む

それでいて個人の救済は宗教(天皇制)崩壊以来代替案が用意されておらず、

個人個人の自助努力と単なる運に委ねられたままである。

非常に生きづらく、強い心、強い個人が要求される時代だ。

それに対して社会は何ら答えを用意していない。

答えを用意する意志すらないように見える。

 

早い者は中高の内から、普通の人でも大学に入ると漠然とした不安を抱く。

高校まで、毎日同じ学校、教室で、決められた毎日をこなしていたのに、大学入学と同時に高い自由度を手に入れる。明確に定められたカリキュラムも、授業に出る必要すらもなく、指示を出してくれる人がいるわけでもなく、自由である反面、全て自分で決める必要が出てくる。そして、漫然と毎日を送りながらもどこか満たされない思いを抱えながら、時に不安になる。

 

 

教育

教育。

現代の教育は既に2つの側面から崩壊している。

1つ目は生産性、2つ目は社会との接続である。

生産性。

現代の教育方法は極めて生産性が低い。

学校のカリキュラムでは進みが遅すぎる。

よっぽど自学自習をしていたほうが進みが早い。

そして、学校が魅力ある場所ではなくなった。

 

それまで学校は社会への窓、新しい世界に飛び込む心躍る場所だったが、今では既に社会を知る方法は至るところにあり、真新しいことは何もない。テレビ、そして、インターネットを通じていくらでも知れるし、学べる。

 

社会との接続。

そして、個人の救済機能を失った社会は、その機能を教育現場に付与することを忘れた。

青年期にアイデンティティを確立させる方法・機会を提供することをしてこなかった。

そのため、大学という極めて限定的な期間に自らの実存を勝手に模索しなければならない。

個人の救済機能を社会が失った今、必要なのは個人の実存であり、個人の実存を獲得できる環境である。

そのためには早い内から「社会」に触れ、自らの可能性を模索する必要がある。

人は試しては失敗し、自分を再発見する。自分を創り、自分を知る。

 

学校は、同じ学年の限られた友人とよく見知った教師しか存在せず、年代的にも、社会属性的にも画一で、社会とは程遠い。

そこには、社会の第一線で活躍する大企業の役員もいなければ、生計を立てるために日夜働く若き女性も存在しない。社会に触れる環境が全くないまま、自分のアイデンティティに振れ幅を持たせられないまま、何も疑わず、-一部は疑問を抱えても何もできず-卒業し、大学に進学する。

 

 

キャリア

キャリア。

そもそもアイデンティティの揺さぶりが少なかった若者は、

大学入学後に恐る恐る自分の振れ幅を増やし、

自分の個性、拠って立つものを発見・再確認する。

そして、徐々にアイデンティティが確立されてきたかと思いきや、すぐに就職活動を迎える。

就職活動にそのまま接続できる人は問題ないが、時に自分のアイデンティティ、もっと言えば実存の延長線上に社会がないことがある。社会との接続の方法を知らないし、例え、実存が確立してても、その実存を満たす職業が存在しないかもしれない。

何より、ここにドラッカーの言う知識労働者と肉体労働者のギャップが存在するから更にややこしい。

それまで高学歴者として知識労働者的に振舞い、順調に自負も芽生え始めていた頃に、用意されている職は肉体労働者の延長、プロフェッショナルとしての自律的な働き方ではなく、スタッフとしての従属的な働き方なのである。このギャップと現実にうまく適応できない場合が多い。

 

経営に関わりたいとは言うものの、目ぼしい就職先もなく、将来やりたいことがあるわけでもなく、明確な指針が存在しないまま、それでもなんとなく就職するのは嫌だというよじれた要求。

 

マネジメント

マネジメント。

知識労働者に対するマネジメントが準備出来ていない。

プロフェッショナルとして、成果を報酬とする知識労働者に対して、彼らのモチベーションを満足させ、動機づけられるマネジメント手法が未だ確立されていない。

 

社会機能

社会機能。

日本社会は個人の救済、社会との出会い、実存の発見、効率的学習装置・機会、学校と社会との接続の場という機能が存在しないことに加えて、産業創造機能を有しておらず、社会として十分な機能を保有していない。社会システムとして自立していない。

自立的に新しい産業が立ち上がるシステムが存在していないし、加えて、生産性の高い産業や新しい産業に人と資金が割り振られる資源配分機能も存在していない。現在は貯金を食いつぶしている状態で、これでは今の豊かな生活が維持できない。

 

起業する人はいない。創業したばかりの若い会社に進んでいこうという人もいない。そして、起業する、あるいは、ベンチャーに流れ込むルートも存在しない。大学卒業間際の行き着く先は東証一部に上場した名だたる企業で、そもそもベンチャーに目を向ける余裕もない。構造的に日陰に隠れざるを得ない状況になっている。要はベンチャー用のリクルーティングスキームが確立されていない。

 

社会制度

社会制度。

知識労働者、というほど大したものでもないが、現代の若者、そして、労働寿命を考えると、勤続年数40年は余りに長い。誰もが飽きてしまう。だからこそ、そして、自尊心を守り切るためにも、離脱可能性を用意しておく必要があり、そして、再度労働市場に戻る技能習得の場、知識習得の場が必要。大学に戻れる仕組みでもいい。とにかく労働の流動性をあげて、出戻り自由、再起可能な社会にする必要がある。それも包括的なシステムに接続して。

 

統治

統治。

とにかく今の社会において、政府が統治するのは不可能、領域侵犯ですらある。政府の関わりは最低限、ディレクションと指揮、後は民間に、多元的に各所で問題解決を図るべき。その環境を整える必要がある。自由主義経済。フリードマンレーガンサッチャー

 

担い手

担い手。

誰が産業創造の旗手を担うのか。リスクを取るのか。それはリスクを取れる人、リスクを取った結果、リスクに見合うリターンが得られる可能性がある人。つまり、この国のエリートである。少なくとも大学生は社会から多大な投資を受けている。恩恵を受けている。それを自覚して社会に還元する必要がある。今のままではただのフリーライダー。エリートこそ、挑戦すべきだし、それが責務。

 

グローバル

グローバル。

以上に加えて、経済環境の変化にも目を向ける必要がある。情報技術は市場を画一化し、統一した。誰もが他国の状況、取組を知っている。グローバル環境に適したグローバルインフラの整備が必要になる。

 

今の状況でグローバルインフラたり得ているのは、googleamazonくらいのものである。これ以上に革新的に世界規模の、国際経済を支える経済基盤を創出していく必要がある。次代に向けて社会をアップデートする必要がある。

 

余談

1.教育現場に社会を持ち込む。社会との出会い。

 

2.義務教育を圧縮。自律的学習機会の提供。

 

3.大学と社会の接続。その拡大・普及(社会教育・マッチング・企業誘致・インキュベーション)

 

4.新マネジメント手法の確立。機会提供・成果型。 cf.インターネット

 

5.産業創造機構の創出

 

6.自律的資源配分システムの創出・定着

 

7.労働市場の革新。流動性の担保。出戻り自由・再起自由。

 

8.血の通った自由主義経済の創出。政府の指揮者化。

 

9.エリートの挑戦

  

10.グローバルインフラの整備