日々の気付きと時々、振り返り

しがないセールスエンジニアが日々考えてることをまとめたもの。

今後の展望 -- コンピューティングの系譜を踏まえて(執筆中)--

自分語りばかりで恐縮だが、自分は今過渡期にいる。これまでしばらくは修行と思い、様々な筋肉をつけることを目標にしてきた。例えば、基礎的な組織運営能力、エンジニアリング、英語、それに伴う国際的コミュニケーション能力。それがここに来て一段落ついたように思う。その根拠はいくつかあるのだが、畢竟、主観的なものだ。この事実が何を意味するかで言えば、私はそろそろアウトプット段階に移行したほうがいい、ということだ。(本来はそれは大学課程までに終えて、すでにアウトプット段階にあるべきだ、という批判は当然成立するのだが、自分は恥ずかしながら大学課程まででは足りなかった)

 

そこで当然の如く「次に何をするか(今後の人生を何に捧げるか)」という問いが成り立つわけだが、もちろんかつて執筆したように、社会的・経済的・政治的問題への情熱を失ったわけではない。しかし、それらは少々長期的な取り組みが必要そうである。受け入れられ難いほどに。それは一通り事業的目標を達成してからでいいのではないか、私が参与することでプラスの影響を与えられるイメージはあるにはあるが、それより先に私自身が物事の進まなさ、やるせなさに情熱を失ってしまいそうだ。一通り変化の激しい世界で、その変化の原動力になる経験を経てからその分野に戻ってきても遅くはないのではないか、ということすら思っている。

 

さて、何をするかである。結論からいうと、やはりコンピューティングの拡張なのではないかと考えている。人間の復権と言ってもいい。以下に詳しく述べる。

 

コンピュータの系譜

PARC という研究所がある。Palo Alto Research Center の略であり、元々は Xerox 社の研究機関だ。知っている人は知っているが、Mac (Apple) や Windows (Microsoft) など、現在成功を収めている Tech Giant の要素技術はほぼここで開発されたと言っても過言ではない。そこに所属していたのが、アラン・ケイであり、マーク・ワイザーだ。我々が今享受している世界はアラン・ケイの世界観そのままと言ってもおよそ言い過ぎではない。パーソナル・コンピューティングを提唱し (c.f. A Personal Computer for Children of All Ages) そこで描かれたダイナブック構想は Steve Jobs の手によって大いに現実のものとなった。また、未だ実現の途にある構想としてユビキタス・コンピューティングがある。これはマーク・ワイザーThe Computer for the 21st Century で提唱した概念であり「コンピュータがいたるところに存在する(偏在)」というのがメインのコンセプトだ。

 

これらを敷衍すると、まだまだコンピュータは環境に溶け込める、ということが言える。人間はデバイス(物理的制約)からまだまだ解放されることができる。なぜスマホを取り出さなければ行けないのか、なぜデスクトップの前に座り、キーボードを叩かなければいけないのか、システムが人間 (Unique Identity) を感知し、よしなにやってくれないのか。例えば、支払い。行っているのは単純な数値計算とその記録である。商品さえ考えなければ、合計された金額を特定の記録から差し引けばいいという、ごくごく単純な作業だ(例えば、トランザクション機能など、システム的困難さはここで取り上げていない。コンピューティングと相性がいい、単純作業である、というのが -- すくなくとも大雑把なコンセプトレベルでは -- ここの主旨である)。

 

これには大いに技術的課題がある。IoT、MR/VR/AR、Machine Learning、様々な技術領域を総合的に活用する領域とすら言える。例えば、User Identity を不備なく認識する技術、それを支える分散的システム、デバイスの小型化、バッテリーの長期化、プライバシーを中心とした法規的課題。しかしだからこそ取り組む意義があるとも言える。現段階で取り組むべき課題を、個人的な腹落ちの上で、見つけることは意外に難しい。例えば、言語の壁や時差。個人的にも苦しんでいる課題ではあるが、あまり打開の絵が個人的には見えていない。特に前者については非常に古い分野であり、そこはすでに存在している取り組みに委ねたい。

 

きっかけはヨーロッパを旅した時だった。日本と比べて治安が悪いにも関わらず、言い方は悪いが、皆「無防備に」公共交通機関に乗っている。また、ドイツなど、切符利用のユーザ体験は非常に悪い。それらは統合されたシステムが、人々が意識しないレベルで必要な処理を完了してくれれば、自ずと解決される問題に溢れている。それを拡大解釈した時、上記の構想にたどり着いた。

 

ではでは。

 

注: 上記の構想は常に修正・改善されている。未だ情報収集の途中であり、今後細かい部分が修正・洗練されていく可能性は大いにある。