日々の気付きと時々、振り返り

しがないセールスエンジニアが日々考えてることをまとめたもの。

企業のバリュエーションを勉強していて

あるご縁から勉強することになった企業バリュエーション。その中でこれは面白い!と思う話があったのでご紹介です。今回参考にさせていただいたのはこの本です。予備知識無しで読めるので、もし興味があったら読んでみてください。

MBAバリュエーション (日経BP実戦MBA)

MBAバリュエーション (日経BP実戦MBA)

 
企業のバリュエーションとは、企業の価値評価、特に、理論株価の算出のことを指すのですが、その評価材料の一つに「のれん」というものがあります。こののれんの数字を丁寧に現実の出来事に置き換えるとなかなかはっとさせられたんですね。
 

のれんとは

のれんとは、企業の保有資産を合計した価格と企業につけられた価格の差です。例えば、在庫や設備など、企業には保有している資産があり、これらを合計すればその企業の価値が一応算出されます。しかし、実際に企業が買収される場合、その価格より高い値がつきます。この差額がのれんにあたります。
 
この差額がなぜ生まれるかといえば、企業のブランドや蓄積されたノウハウなど、資産価値の計算には含まれない無形の資産が存在するからなんです。この無形の資産も盛り込んで企業の価格は算出されるわけです。
 

のれんの重要性

そして、こののれん、つまり、超過収益を生む無形の資産の重要性が近年高まっている、というのが今回の話です。具体的には、かつては企業価値におけるのれんの割合は20%程度だったのに対して、最近では80%を占めているとのことです。企業価値を算出するときに参考にする数値(企業の業績など)は公開されているので、のれんが企業価値にどれくらい寄与したかわかるのですね。
 
この変化は会社の価値が「どんな在庫、設備を持っているか」というハードの資産から「どのようなブランド、商品開発力があるか」というソフトの資産によって評価されるようになったことを意味します。「これからはソフトが大切になる」という話は数字的にも裏付けられた話だったことがわかります。例えば、インターネットで有名なヤフーは、純資産の20倍が時価総額、つまり、時価総額の19/20がのれんの価値になるそうです。
 
最近だとMicrosoft CEOのバルマー引退によってMicrosoftの株価が7%上昇するケースなどがありました。にしても、自分の引退で株価が上がるのは結構辛いですね…。
[参考記事]
 

株価が下落する影響ってあるの??

株価下落は企業にそこまで短期、かつ、直接的には影響しないようです。例えば、株価が下がったからと言って企業の手持ちの資金が減少することはありません。これは家電の購入を考えればわかりやすいのですが、一度購入した家電がその後安くなっても自分の元に現金は返ってこないですよね。これと同じ構造です。株が発行後に売れた時点で資金の出入りは起きません。
 
それでは、株価下落の影響はどこにあるのでしょうか。
まず、一株当たりの価格が下がるので資金調達が難しくなります。一株の価格が下がるとより多くの株を発行しなければ十分な資金を調達できなくなるためです。次に、信用がなくなり、銀行がお金を貸してくれなくなります。貸した金が返ってくるか不安になるので、貸し渋りが発生してしまうのです。そして何より、買収されるリスクが上昇してしまいます。企業の価格が下がってお買い得商品になってしまうので、買収対象になりやすいのです。
 
そのため、短期的に深刻な影響はないかもしれませんが、長期的にはやはり大きな意味を持つのが株価だといえます。
 

最後に、

毎日ものすごい速度で情報が更新されて状況も変化する現代では、ある程度の抽象化、モデル思考とでもいいましょうか、フレームワークに則って大枠のみを考える力が求められている気がします。
 
そんな時代に株価など、様々な指標を読む力はますます重要になってくるんだろうなぁという思いを強くします。考え方のスタイル、スキーマはたくさんストックしておきたいものですね。 
 
さてさて、勉強に戻りますか。笑 今回はこんなところで。
 
ではでは。